4月1日を終えて
演劇企画イキアタリハッタリというのを始めました。主宰のひとりの馳瀬ナルミです。立教大学劇団テアトルジュンヌOGで、卒業後もなんとなく演劇や役者などをやってたのですが、また新たに脚本・演出活動をもうひとりの主宰の後輩いづみ繭子とおこなっていこうという企画です。
わたしもいづみも脚本・演出を主に活動しているのですが、今回のvol.1では、わたしが作演、いづみが裏方総指揮、次回vol.2では役割を交代にするつもりです。そんなわけで今回は、わたしが作品づくりで思ってること2019年4月現在ver. の話をしようかと思います。
今回の作品で、わたしは体についてのこと(とその他)を描いています。
わたし自身、エンターテイメントは大好きで、テレビっ子だったし、お笑い大好きだし、ゲームも漫画もアニメも好きだし。流行りのj-popはけっこう歌えるほうだったし(これは少し過去形)。
ただ、そういう純粋なエンターテイメントの作品を作ることに対しては、わたしは今のところ興味がありません。どこまでが純粋なエンターテイメントなのか?というとまた難しい話ですが……。
ぽっと、いつのまにか存在していたわたしたちは、「なんのためにうまれて 何をして生きるのか」と、考えざるを得ない世界を漂っています。ごはんを食べるため、辛くない生活を送っていくため、できるだけ楽しく過ごすため、わたしたちは最低限それだけはしていたい。そのためには、何も気づかないまま生きるなんてことが、できれば幸せのような、「そんなのはいやだ!」と言い切りたいような。
わたしがこうやって演劇を作って、たくさんの人に見てもらいたいのは、そういった生活の中にある複雑な人の気持ちとか、世の中の仕組みとか、そういうもやもやしているものをその人に気づいてほしいからなのではないかと、自分が生活していて思いました。
わたしは2016年の12月に、『みんな今まで本当にありがとう!』という演劇を作りました。この劇は、「終わり」ということはどういうことなのか?ということについて描いたものです。たくさんの役者がそれぞれの終わりを迎えていき、最後のパーティが行われてフィナーレ。「みんな今まで本当にありがとう!」という言葉と、過去にも終わりにも負けない強い記憶だけが現在のわたしの中にいる。そういったような劇を作ったつもりです。
私事ですが、一年半くらいアルバイトで勤めていた職場が3月31日になくなりました。大学を卒業した後にはこのように人から「終わり」にさせられることはないだろうと思って先の劇を作ったのですが、図らずしもわたしはまた終わりを迎えてしまって、他の従業員の人たちもそうで、みんなで「卒業みたいだね」と話しました。
昨日はその最後のパーティで、でもやっぱりわたしにはほんとに終わるってことがまだ理解できなくて、他の人の中にもきっとそう思ってる人が何人もいると思って、わたしは偉い人が「みなさん、今まで本当に、お疲れ様でした!」と大きな声でスピーチしたときに、「ああ、ほんとうにさよならなんだ」と少しだけ思いました。そのとき、わたしはあの劇を作って、自分で作ったんだけどあの劇を見ていてよかった、と思いました。そして、「ああ、ここにいるみんな、あの劇を見ててくれたらきっとよかったのに」というふうに思ったんです。
見終わってすぐにも、もちろんそれまでの生活と何か響きあうものがあればうれしいのですが、その後の生活の中で、ふと思い出して重ねて、世界を捉えてもらえたらうれしいな、それがわたしたちがぽっとなんの選択もなしに生まれてきたわたしたちができるだけ豊かに生きていくことの力になってくれるのではないかと思っています。
今回の作品も、そんなものになっていくと思います。ぜひ、たくさんの人に見てもらって、この感覚を共有したり、はたまたいやそんなことはないと言ってもらったり、どんどんとすべてが良いほうへ向かっていくようなきっかけになれればと思います。
演劇企画イキアタリハッタリvol.1『中指と薬指の間』
@スタジオ空洞
6月1日 15:00-/ 18:30-
6月2日 11:00-/ 14:30-/ 18:00-
※開場は開演の30分前です。
※60分以内の上演になる予定です。
チケット
一般1000円/ 割引料金700円
割引詳細・予約はURLから
https://ikiatarihattari.wixsite.com/ikiatarihattari/next
初回は真面目っぽい根本ぽいことを書いてみました。
大学生の時はとにかく「劇を見てくれた人の心臓を掴んで潰したい」と過激なことを言っていましたが、2019年の4月現在わたしはこんなことを思っています。潰した先の豊かさ。雨降って地固まるということかと思います。
演劇企画なので、この役者・スタッフで劇を作れるのはきっと今回だけ!(?)みんなのいろいろを、このブログで交換ノートのように、昔のインターネットの「○○バトン」のように回していけたらな、と思っていたのですが…。とりあえず質問をひとつ投げかけて、あとはそのことから派生してもいいですし、最近よかった音楽を紹介してくれてもいいし、おいしいコンビニスイーツ情報などなんでも好きなように書いていってもらおうと思います。
では次回はもうひとりの主宰、今回の稽古場で演助や制作その他もろもろをやってくれているいづみに回そうと思います。
Q. いづみは、手相とか占いとか信じる派ですか?
劇中にもそんなようなことが出てくるので関連してきいてみます。ちなみにわたしはお腹の中で捻くれながら産まれてきたので普段は「全然信じてない」といった態度をとっていますが、去年初めて友達についていったちゃんとした占いをうけたら、終わった後その友達よりも大興奮で「占いスゴイ!!」と占い館を出ていました。捻くれているけど素直なので…。
そんな感じでとりあえずは6月2日まで、イキアタリハッタリvol.1にどうぞお付き合いよろしくお願いします!