イキアタリハッタリ記録

馳瀬ナルミといづみ繭子による演劇企画イキアタリハッタリを記録してみます。

馳瀬のvol.1 終演のいろいろ

vol.1 作演出の馳瀬です。
演劇企画イキアタリハッタリvol.1『中指と薬指の間』、無事終演しました。 ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました!! 

終演からあっという間に日が経ってしまいました…。
徐々に、というか急激に、また新しい日常に追われているような、ちょっとぽっかりしているような。

劇についてのことをいろいろ書こうかな、と書いてみては消してを繰り返しています。こう思ったから書いたんだよね、ってことはいろいろあるけど、やっぱりこういう文章にはうまく書けないので、気になることは直接聞いてください!!お茶しましょう!!


とにかく、簡潔に、言うなら、「体が決定することによって、自分が決定されてしまう、気持ち悪さ・不可解さだとか。それによって誰かを好きになったり、好きになられたりするっていうことへの疑問だとか。体が違えば違った、だなんて、じゃあ「ほんとのわたし」という存在は、あまりにも薄すぎる気がして悲しい。だけど、わたしが思ってる「わたしの優しさ」なんてものは、もっと形がなくて不安定で、相手から見たら完璧だとしても、わたしには絶対欠けていると思うものだってあるのに…」だとか、そういうことだったり。そういうこと以外だったりします。


書きたかったことを書いてみて、「なんかわりとストレートに書けちゃったし、演出でもっとバグらせてこ!」と思いました。
最初のほうの稽古で、「舞台がDJブースで、りこが真ん中にいて、その左右で母と男がスクラッチしてるみたいなイメージでいこうと思ってるんですよね」みたいなこと言いました。「なんかバグらせたいから、とりあえずこんな感じで動いてってほしいんですよね〜」とか。

書いてるときはわりと論理的だけど、演出してくときはわりとフィーリングだなって感じです。イメージがぼんやりとあって、そこを明確にしてく、って感じではあるけれど。
自分の中には全体的なイメージがあるのですが、当然ながら、役者さんにはそのイメージがないってことに、毎回戸惑います。よく稽古で、「ここはどういうこと?」とか「どういうふうにやったらいいの?」みたいな質問をされることがあるのですが、今回はあまりなかったなって、小屋入りした後くらいに気づきました。
「あれ、今回わりとわたしの頭の中伝わってたってこと〜?」って思ってたけど、後から聞いた感じだと、別にそういうわけではなくて、最初のほうに思ってたとこからだいぶ変わった、っていうように言われて、思い出しました。「そういえばわたしの頭の中にしかなかったんだった…。むしろわたしの頭の中にもイメージしかなかったし」って、でもわたし的には脚本書いてるときから変わった!って意識はないから、なんだか不思議です。

演劇を作ることは、とても不思議です。みんな頭の中が違って、体の作り、得意不得意が違って、感じ方が違って。稽古に時間がかかって、少しの期間しか発表されなくて。そこにいた人にしか届かない。
でもやっぱりこれがわたしにできる最大の伝え方な気がする。
演劇ってエンターテイメントで。ポップじゃないけど、わたしのような根暗にとっては、こういうのが最高にエンタメ。
わたしはわたしがおもしろいものをやっぱり作りたいな〜って思ったし、みんなもおもしろいじゃん、こういうの??考えたいじゃん、闇雲に???って思ってる。

それと、出てくれた役者の方たちのことも書きたい!
りこ役をやってくれたゆきてぃは、オファーする最初はどちらかといえば母役かな?と思っていました。あおいさんとは初稽古まで会ったことがなくて、読み合わせをしたり、マウントを取り合うワークをしたりで決めたのですが、「りこ」は神経質そうな、弱そうな人物のほうが、「りこ」という人間がわかりやすいかな〜と思ってりこ役に決めました。
体を使うワークであおいさんもよく言ってたのですが、ゆきてぃは指先の動きがきれいに見える!指が細くて長くて色白でとてもきれい、うらやましい……。指についての劇なので、ゆきてぃにやってもらえてよかったな〜と思います。
ゆきてぃが発する言葉は、少し震えてるような感じがして、そこがなんだかいいですね。りこという人間が出来上がったのも、ゆきてぃのおかげです!
マウントを取り合うワークで、あおいさんとはまた違ったマウントの取り方をしていて、そこもおもしろかったので、また強めの役も見たい!

あおいさんはテアトルジュンヌの先輩の長谷川なつみさんに紹介して頂いて、会ったこともないのに出てくれることになったことがまず大感謝で、まずもうコミュ力に脱帽でした!
そして、あおいさんが表現してくれる母の、力強さ。感情的になるシーンが多い母でしたが、お客さんからもそのシーンの迫力にやられてるって感じの人が多かった印象です。
実は書いてるときからわりと、わたしは母に共感していたのですが、稽古中、音をつけた通しをしたときに、ラストの母がりこに必死に手を伸ばしているシーンを見たときに、自分で作っといてなんですが、ちょっと泣きそうになってしまいました。あおいさんの母の必死さに切なくなって…。「この母は、概念としての母って場面のほうが多いんですよね」みたいなことを言いましたが、母という概念を身に宿してくれて、見覚えのある方には強く心に刺さったのではないかな、と思います!
ワークで見たコミカルな感じの演技もとてもおもしろかったので、振り幅がすごいです!

まさこは、男の子役、高校生役、大人役、先生役、のように、様々な「男」を演じてくれました。セリフはそんなに多くないはずなのに、いろんな人物を演じてくれて、大変だったかも、と思っています…。
まさこはいづみ作演出のジュンヌの劇で役者をしてるのを見て、ダンスのシーンでずっと膝でリズムをとってるのを見て、「ダンスとか苦手なんだろうな」と思ったのですが、「あの感じ、いい!」と思っていたのでオファーしました。やってくれるって言ってくれてめちゃ感謝です!
そして、「ダンスとか苦手なんだろうな」とか思ってたのに、ダンスみたいなことをさせてしまいました。でもバッチリできるようになっていたので、拍手です!
まさこの素朴な雰囲気が、この劇のいいアクセントになったなー、と、とても思っています!「途中で男が出てくるシーンがあってホッとした」みたいな感想があった、と聞いたのですが、まさこの雰囲気あってのことだと思います。なんというか…ほんと、素朴なんですよね、それでいて、陰の匂いがしない。わたしは陰の者なのでわかります。彼は素直で明るい子です!


そんなこんなで、役者さんについて書いてたら長くなりました。役者がやってくれてこそ劇になるので、ほんとに感謝です!!
そして作るのはやっぱりいろいろ大変だけど、次も作るのが楽しみになってます!
今回関わってくれた方、観に来てくれた方、本当にありがとうございました!
本音言うと、別に無理矢理好きじゃない人に来て欲しいわけじゃないけどもっと売れたい褒められた〜〜い!!好きな人から好きって言われた〜〜い!!インフルエンサー求めてます!もっと観に来て褒めて宣伝して〜!!


そしてあおいさんからの質問!!
Q.いま、一番壊したい物なに?

壊したいもの、打破したいもの……。
「社会の常識を壊したい!」よりかは、「今の自分を壊したい!」の方向性かな、とは思いました。
でも、今の自分で「壊す」べきとこはどこかと思うと…???
意外と、こうだから今自分はこう、みたいな理由があって現状ではあるな、と思うので、壊したいかというと…?というようなことが多い気がします。
もっと常識が壊れてたら楽だったかも…と思ったことは何度もあるけど…。
中々場に馴染めないことは嫌だな〜と思うことが多いけど、いきなり人と打ち解けるなんてこと物理的にムリって感じって思うし…。
単純に、「片付けるのが嫌い」「めんどくさがりっていうかスイッチ切れやすい」みたいな自分を壊せたら壊したい!!と、今日一日ひたすらボーッとして、散らかった部屋にいて思っています。。
これはほんと単純に、そうじゃない自分のほうが生活の質あがるな〜。。。


そんなこんなで、vol.1は終演ということで、次は作演出をいづみにバトンタッチになります!
いづみの作品は、ひとことで言えば「アロマキャンドル」かもしれませんね。今思いついただけなので、違うかもしれません。

次回の情報をお届けしつつ、このブログもなんとなく更新していけたらな、と思っています。

なので、いづみにまた質問を!

Q. 好きな映画の好きなところを語ってほしい〜〜。

質問じゃなかったけど、どういうところを好きで観てるのか聞きたいので!!
それではvol.2も、どうぞよろしくお願いします!