イキアタリハッタリ記録

馳瀬ナルミといづみ繭子による演劇企画イキアタリハッタリを記録してみます。

vol.2を終えて

こんばんは、いづみです。なんだか眠れなくて、こんな時間の更新になってしまいました。


改めまして、vol.2『どう死ようもない』にご来場頂いた皆さま、気にかけて頂いた皆さま、誠にありがとうございました。
感想はすべて、アンケートもSNSも読ませて頂きました。共感したも分からなかったも、どれも嬉しかったです。大事に心に留めておきます。ありがとうございます。
劇を終えて、ブログを書こうと思ったのですが、語りたいことが何もないということに気付いて、ずるずると更新が遅れてしまいました…すみません。頑張って書きます。


台本(買ってくれた方々ありがとうございました!! めちゃくちゃ嬉しかったです)に書いたのですが、この劇は「観客が舞台上の役者を(無意識に)消費してるのキモチワルイ」という所からつくり始めました。

だから、消費する/されるとは何か、記憶を塗り替えるとは何か、といったことを女たちに語ってもらいましたが、「役者が何か話さないといけないな」と後から当てはめたことなので、この劇の大事な要素を担っているけれど根幹ではないと私は思っています。

登場する人達を変えれば、同じ形式でまったく別の物語になります。それこそコメディもつくれちゃう。
いつか、私じゃない誰かが書いてくれたものを観てみたいなあと、ほんのり思います。


私は、人と人は分かり合えないと信じています。分かり合える時もあるけれど、コミュニケーションの根本には分かり合えなさがある。それが絶望にも救いにもなる、はず。
こういうことを書くと「寂しい人…」と思われそうですが、私には「分かり合えるよ!!」とキラキラした目で言ってくる人のほうが怖いです。たった今、分かり合えていないことを分かっていない人が、分かり合えるとどうして信じられるの?

それに、絶対に誰にも分からない部分が自分や相手の中にあるのって、寂しいけれど安心もする。
私は、自分や現実や未来に絶望して泣く時、悲しくてしんどくてたまらないのに、同じくらい満ち足りているような、不思議な気分になることがたまにあります。たまに泣きながら微笑んでいる。(コワ…と自分でも引きました)

だから、「人と人は分かり合えない」と信じているけれど、諦めている訳ではなくて、その上で分かってほしいと思うから創作しているんだと思います。


『どう死ようもない』の感想を読んでいて、「分からなかった」「難しかった」という言葉に私は安心しました。うまく言えないけれど、私の言葉が届かない人が世界にはちゃんといるのが分かって、また届けたいと思えた、というか。
つまらない劇を観た時って「は?つまんな」と思ってスっと忘れたり、逆にいつまでも残ったりしますが、難しい劇だと「分からない私がダメなのか…?」みたいに落ち込むことがあります。SNSで感想を探して、皆がイイネしたり語ったりしているのを見ちゃうと特に。

もし『どう死ようもない』を観てそう思った人がいたら、大丈夫です。あなたが分からない、難しいと思ったことに、私は安心させてもらいました。あと今回の目的は分からなくさせることではなかったので、私の未熟さが出てしまったのを反省しています。
よければまた、観に来てください。私が脚本を書くのは当分先になると思いますが、いつか。


ザ個人的なことを書かせてもらうと、劇をつくるモチベーションを保つのが今回めちゃくちゃ大変でした。あまりに保てなくて、悩みまくって、漫画『ちはやふる』を読み直して(?)、心に周防名人を置いてつくったほどでした。
今もモチベーションはぐらぐらしたままで、vol.3に向けてこれじゃあアカンぞ…と何とか足掻いているところです。また演劇を観に行こうかな、と思えたので行ってみます。


馳瀬さんに質問です。
Q.劇をつくるモチベーションは何ですか?


Twitterで「原動力になるものは人それぞれ違うから、自分の原動力を知っておくといい」みたいなことを読んで、なるほどなあと納得して考えてみたけれど、私の中にはプラスの感情がありませんでした。
「楽しい」や「好き」はモチベーションに繋がりにくくて、むしろ「重たすぎる責任感」や「アイツに負けたくないという意地」があると奮起しやすいタイプなんだと思います。友達には「特攻隊みたいな精神で演劇やってるよね」と言われたことがあります。(最近はそれすら効かなくなってきて困ってるんですけどね!)
愛・地位と名誉・金の中なら迷わず愛を選ぶ馳瀬さんは、何をモチベーションにして劇をつくっているのか教えてください。ちなみに私は地位と名誉が欲しいです。めっちゃ欲しい。


次はvol.3ですね。なんと馳瀬さんが脚本、私が演出を担当します。タッグを組むというやつです。
このあいだ2人でご飯を食べて、その後も出身サークルの稽古場にお邪魔した日に後輩と3人でご飯を食べて、また明日も食べるけれど(なんか仲良しみたいでウケる)、毎回「わ〜vol.3どうしよ!」と話しています。

たぶん、あくまでたぶん、私は「まあ今回馳瀬さんが脚本書くしvol.2より気が楽だな」と思っているし、馳瀬さんは「まあ今回いづみが演出付けるしvol.1より気が楽だな」と思っている。お互い、気が楽だな〜と思いながらわ〜どうしよ!となっている、気がする。


脚本だけ書くのも、演出だけ付けるのも、この2人でタッグを組むのも、初めてだらけのvol.3は、今までよりもドキドキします。馳瀬ファンに「なんだよあの演出!」と怒られたらどうしよう、とソワソワもします。ぽつぽつ情報を出していくので、どうぞよろしくお願いします。

 

おやすみなさい。